ダメージ暗算でポケモン界をぶっ壊す!【脱ダメージ感覚】

猫村銀杏(ねこむらいちょう)と申します。ポケモンの話中心。小説とかも書いてます。

【ダメージ暗算】ドラパルトのドラゴンアローの威力は50×1.5×2=150ではない?ダメージ暗算の精度を上げる補正位置の考え方【ポケモン剣盾】

「ドラパルトのドラゴンアローの威力は?」

 

この質問に対してみなさんはどう答えるだろうか?

 

ドラゴンアローのベースの威力は50である。

ドラパルトはドラゴンタイプのポケモンであるから、

タイプ一致補正の1.5倍がかかる。

そして、ドラゴンアローは2発連続で攻撃する技である。

 

これらの補正を元の威力に掛け合わせると、

50×1.5×2=150となる。

この考え方で、ドラパルトがドラゴンアローを撃てば威力150と答えるポケモントレーナーはかなり多いと思う。

 

しかし、話はこんなに単純なものではない。

この記事ではダメージ暗算の精度の上げ方と補正位置について考える。

 

同内容を以下の動画で説明していますので、そちらもご覧いただくとよりわかりやすいかと思います。

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【ダメージ暗算】ドラパルトのドラゴンアローの威力は50×1.5×2=150ではない?ダメージ暗算の精度を上げる補正位置の考え方【ポケモン剣盾】

 

話を分かりやすくするために具体例をあげる。

ここでは、以下のケースを考える。

計算結果はそれぞれ以下になる。

①A189→B95ドラゴンアロー

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②A189→B95ギガインパクト

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③A189→B95ドラゴンダイブ

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このうちドラゴンアローは、

これが二発入るから最高乱数二連発だと、

トータルのダメージは、134となる。

 

ギガインパクトは元の威力が150の技であり、今回の検証の基本となる。

ドラゴンダイブは元の威力が100の技であり、

ドラゴンタイプのドラパルトが撃てばタイプ一致補正の1.5倍が入る。

これが単純に技の威力に掛かるとすれば、補正込技の威力は100×1.5=150となる。

 

この例では、

ギガインパクトドラゴンダイブのダメージは133で一致するので、

ギガインパクトドラゴンダイブの威力は補正を考慮すると一致すると考えてもいいのかもしれない。

しかし、ドラゴンアローのダメージは134となるので、

これは同じ威力と考えるのはちょっとおかしい。

 

なぜ、この差が生じるのか?

詳しい話をする前に、さらに話を分かりやすくするため、

別のケースを考える。

 

今度は、ドラパルトのA実数値を190にして計算してみる。

以下がその計算結果である。

(実際にはA実数値190のドラパルトというのは存在しないので注意)

①´A190→B95ドラゴンアロー

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②´A190→B95ギガインパクト

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③´A190→B95ドラゴンダイブ

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このうちドラゴンアローは、

2発でトータルのダメージは、138となる。

 

今度の例では、

ギガインパクトのダメージ134ドラゴンダイブのダメージ135でも差がでた。

さらに、ドラゴンアローのダメージ138はかなり差が大きくなった。

 

さて、なぜこれらの誤差が生じるのだろうか?

 

ここでは、それぞれのダメージについてダメージ暗算で考えてみる。

 

①A189→B95ドラゴンアロー

ダメージベースは元の威力は50なので、22×50/50=22。

ダメージは、(22×189/95+2)×1.5=67となる。

22×189/95はダメージ暗算では細かい計算はしないが、43<22×189/95<44となるから、

小数点以下切り捨てでこの部分は43となる。

45×1.5はこれも小数点以下切り捨てで、ダメージは67となる。

これは二発入るので、トータルのダメージは134となる。

 

②A189→B95ギガインパクト

ダメージベースは元の威力は150なので、22×150/50=66。

ダメージは、66×189/95+2=133となる。

ここでも細かい計算はしないが、131<66×189/95<132となるから、

小数点以下切り捨てでこの部分は131となる。

それ+2でトータルのダメージは133となる。

 

③A189→B95ドラゴンダイブ

ダメージベースは元の威力は100なので、22×100/50=44。

ダメージは、(44×189/95+2)×1.5=133となる。

ここでも細かい計算はしないが、87<44×189/95<88となるから、

小数点以下切り捨てでこの部分は87となる。

89×1.5はこれも小数点以下切り捨てで133となり、

これがトータルのダメージになる。

 

さて、ではなんでドラゴンアローのダメージは1多いのか?

 

ダメージ暗算式は簡単に見ると以下であるが、

(DB×攻撃/防御+2)×補正

この式は、分配法則で以下のように考えることができる。

(DB×攻撃/防御×補正)+(2×補正)

(※厳密に言うとこの考え方をすると誤差がでる可能性があるが、ここでは説明のため)

分配法則とは小学生の時に誰でも習った(A+B)×C=(A×C)+(B×C)というやつだ。

 

この内、(DB×攻撃/防御×補正)の部分だけを考えると、

①A189→B95ドラゴンアローの場合

22×189/95×1.5=64、これが2発で128

③A189→B95ドラゴンダイブの場合

44×189/95×1.5=130

となり、ドラゴンダイブのほうが2ダメージ大きくなる。

 

次に、(2×補正)の部分を考えると、

①A189→B95ドラゴンアローの場合

2×1.5=3、これが2発で6

③A189→B95ドラゴンダイブの場合

2×1.5=3

となり、ドラゴンアローのほうが3ダメージ大きい。

 

結果、トータルとしてドラゴンアローのダメージのほうが1大きくなる。

 

この+2は、ダメージ判定があるたびに計算されるもので、

ドラゴンダイブはそれが1回しかないのに対して、

ドラゴンアローは2回ある。

 

この攻防値にも技の威力にも影響しない+2を私は不思議ダメージと呼んでいるが、

この不思議ダメージが2回入ることで、

ドラゴンアローのダメージが、ギガインパクトドラゴンダイブのダメージより1高くなっている。

 

次に、さらに誤差が大きくなったドラパルトのA実数値190の時のダメージを暗算してみる。

この場合攻防比190/95=2となるので計算が簡単だ。

①´A190→B95ドラゴンアロー

(22×190/95+2)×1.5=69、これは2発で138

②´A190→B95ギガインパクト

66×190/95+2=134

③´A190→B95ドラゴンダイブ

(44×190/95+2)×1.5=135

 

「②´A190→B95ギガインパクト」と「③´A190→B95ドラゴンダイブ」の誤差が出た理由は簡単に説明できて、

先述の不思議ダメージ+2について、

ドラゴンダイブはタイプ一致補正1.5が入るが、ギガインパクトはそれが入らない。

2×1.5=32で、誤差1が出るので、

トータルとしてタイプ一致のドラゴンダイブの方がダメージが1大きくなる。

 

しかし、A189のケース「②A189→B95ギガインパクト」と「③A189→B95ドラゴンダイブ」の例ではダメージはどちらも133で一致していた。

なぜA189では誤差が出ず、A190では誤差が出たのだろうか。

 

また計算式に戻って考えてみると、

③A189→B95ドラゴンダイブについて、

ダメージは、(44×189/95+2)×1.5=133となるが、

89×1.5=133.5の小数点以下を切り捨てたから133となったのであって、

③´A190→B95ドラゴンダイブについては、

(44×190/95+2)×1.5=135となるが、

90×1.5=135となり、この部分について切り捨ては発生していない。

 

A190のケースでは、ドラゴンアローのダメージが大きくでたわけだが、

この切り捨てがどこにも発生しなかったことが原因として大きい。

 

余談として、

タイプ一致技について、3n-1のダメージは発生しない。

「②A189→B95ギガインパクト」のダメージ133について、

それ+1の1343n-1となるから、

「③A189→B95ドラゴンダイブ」のダメージは134にはならず、133となる。

 

不思議ダメージ+2について、

①´A190→B95ドラゴンアロー

2×1.5=3、これが2発で6

②´A190→B95ギガインパクト

2

③´A190→B95ドラゴンダイブ

2×1.5=3

この不思議ダメージに掛かる補正が純粋な誤差として、

トータルのダメージにも出ている。 

 

不思議ダメージに掛かる補正は、技の威力には掛からないもので、

タイプ一致補正の1.5を威力だけに掛けるのは間違いだし、

それが2発を単純に威力が倍と見るのも間違いということになる。

 

 

結論として、

冒頭の質問「ドラパルトのドラゴンアローの威力は?」に対して、

私なら「威力は50で、タイプ一致補正1.5が掛かり、それが2発入る」と答える。

なんでもかんでも直接威力に掛けたりしない。

ダメージ暗算を正確にしようとする場合、補正位置まで正確に見なければならない。

 

 

ただし、ダメージ暗算においては、

その精度よりも速度を重要視するため、多少の誤差は無視して、

補正を全部まとめて掛けてしまうことも少なくない。

しかし、前提の知識としてそれぞれの補正位置をある程度は把握していて、

ダメージ1の誤差が戦局に影響する場面では、

ちゃんと補正位置も考慮してその誤差を少なくする。

 

重要なのは、補正位置をちゃんと把握しながらもあえて無視しているということで、

それを知っているか知らないのかは雲泥の差である。

 

 

 

まとめ

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さてわずか1から4の誤差についてここまで長々と語ったわけですが、

いかがだったでしょうか?

 

ダメージ暗算をしない場合、

補正位置の考え方を知っていても意味ないわけですが、

同じような威力になる技について、

トータルのダメージが以下のようになるのを知っておくだけでも実戦では役に立つと思います。

連続技>効果抜群技>タイプ一致技>タイプ不一致技>効果いまひとつ技

これは不思議ダメージ+2について、

2n>2×2>2×1.5>2>2÷2

となるからで、

特に連続技は不思議ダメージが2×5も入ることもあることから影響も大きいです。

 

例:ゴリランダー(A252振り性格補正あり)グラスフィールド下→耐久無振りマリルリ

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なんでもかんでも補正が全て威力に掛かるとすると、

ソーラーブレードは125×1.3(グラスフィールド)×1.5(タイプ一致)=243.75

タネマシンガン5発で、25×1.3(グラスフィールド)×1.5(タイプ一致)×5回=243.75

全く同じダメージが出ないとおかしいが、

ソーラーブレードは356~422に対して、

タネマシンガンは5発当たると370~450

このように露骨な差が出てしまう。

 

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